“温める香り”ショウガの精油に含まれるジンギベレンとは?
精油の成分の話 2025.11.29

“温める香り”ショウガの精油に含まれるジンギベレンとは?

寒くなる季節、どこか安心感のある「ショウガ」の香りが恋しくなるという方も多いのではないでしょうか。
アロマテラピーの世界でも、ショウガ精油は冬に人気の高い香りのひとつです。

このショウガ精油に多く含まれる成分が「ジンギベレン」。
ウッディでスパイシー、そしてどこか温もりを感じさせる香りの中心には、この成分が関わっています。

今回はでは、ジンギベレンという精油成分の特徴と、この成分を含むショウガ精油の使い方のヒントを見ていきましょう。

ジンギベレンとは?ショウガ精油に含まれる成分のひとつ

ジンギベレン(zingiberene)は、ショウガ(Zingiber officinale)の根茎から抽出される精油に多く含まれるセスキテルペン炭化水素類の成分です。
名前の由来は、ショウガの属名「Zingiber」から来ています。

揮発性のある香気成分で、ショウガの香りを構成する主要な要素のひとつとされており、特にスパイシーでウッディ、そして温かみのある印象に大きく寄与しています。

香りと印象 ― ショウガらしさの源

ジンギベレンの香りは、やわらかくスパイシーなウッディ調。
ほのかに土っぽさと、温かく包み込むような穏やかさがあり、いわゆる「ショウガらしい香り」を下支えしています。

単体で強く主張する香りではありませんが、他の精油成分と調和しながら、香り全体に深みを与えるタイプの成分です。
ショウガ精油を手に取ったときに感じる「なんだかほっとする香り」の中心には、このジンギベレンが存在しています。

ジンギベレンに報告されている作用・特徴

  • 抗炎症作用:炎症に関わる酵素の活性を抑える働きがあり、体内での炎症反応を緩和する可能性が示唆されています。
  • 抗酸化作用:細胞を傷つける活性酸素の発生を抑える働きがあり、酸化ストレスから身体を守るサポートをするとも言われています。
  • 抗菌・抗真菌作用:細菌やカビなどに対する抑制作用があるとされ、空間の清浄やフレッシュさにも一役買っています。
  • 血行促進:温かみを感じさせる香りだけでなく、末梢の血流を促す働きも報告されており、冷えを感じやすい季節には特に注目される性質です。
  • リラックス・心身の緊張をゆるめる:気持ちを落ち着けたり、ストレスを和らげるような香りの傾向もあり、ゆったりした時間をつくるサポートにも向いています。

こうした作用は、ショウガ精油として利用される際に、ジンギベレンを含む成分群が複合的に働くことで感じられるものです。

ショウガ精油と辛味成分との違い

ショウガにはジンゲロールやショウガオールといった「辛味成分」も知られています。
しかし、これらは揮発性が低く、水蒸気蒸留で得られる精油にはほとんど含まれません。
なので、ショウガ精油を使ってもピリピリすることはありません。ご安心を。

つまり、私たちがショウガ精油として香りを楽しんでいるときに感じている「温かさ」は、ジンギベレンのような香りの成分によるものであり、辛味成分とはまったく性質の異なるものなのです。

暮らしへの取り入れ方

  • 冬の芳香浴:リビングや寝室に、あたたかく落ち着いた香りを広げる
  • アロマスプレー:空間のこもりや湿気が気になるときに、すっきりさと温もりをプラス
  • ブレンド例:
      ・ショウガ+ヒノキ → 森林のような奥行きのある香り
      ・ショウガ+ユズ → 明るさと温かさが混ざる冬向けブレンド
  • セルフケア:キャリアオイルで希釈し、足元から温める香りの時間に

まとめ

ジンギベレンは、ショウガ精油に含まれる代表的な成分のひとつで、ウッディで温かみのある香りによって、私たちの感覚にやさしく働きかけてくれます。

成分の性質を知ることで、精油の選び方や使い方に“納得感”が生まれるのもアロマの魅力。
とくにジンギベレンのような成分は、「なんとなく心地いい」と感じる香りの理由を教えてくれます。

香りを感じるだけでなく、知って深まるアロマの世界。
ぜひ、ショウガの香りを手に取るときに「ジンギベレン」の存在を思い出してみてくださいね。

その他の成分の紹介

▶d-リモネンだけじゃない?和ハッカに含まれるもうひとつのリモネン

▶湿布の香りの正体?清涼感のある成分「カンファー」とは