そのレシピ、自分にも合う?SNS時代のアロマ実践で持ちたい判断基準
SNSを見ていると、思わず保存したくなるアロマクラフトのレシピに出会います。スプレー、バスソルト、オイル、香り袋。材料も少なく、手順もわかりやすいと、「これならすぐに作れそう」と感じますよね。
ひのもとアロマでも、日本の精油を暮らしの中で楽しむ方法として、香りの取り入れ方やクラフトのアイデアをご紹介してきました。レシピがあると、アロマはぐっと身近になりますし、香りのある時間を暮らしに取り入れるきっかけにもなります。
ただ、ここでひとつ気を付けてほしいがあります。
レシピ公開している私たちが言うのもなんですが…公開されているレシピは、そのまま真似すれば誰にとっても心地よく使える“正解”とは限らない、ということです。
とくに今は、アロマクラフトの範囲を少し超えて、薬のような使い方を思わせるちょっと危険だなと思うレシピや投稿もSNSで公開されています。そうした情報に出会うと、つい「これで何とかなるかもしれない」と飛びつきたくなることもありますよね。けれど、それは安全なアロマセラピーから外れた危険な自己流の入口になってしまうかもしれません。
今回は、SNSで見かけるアロマレシピを、ただ“真似する”のではなく、持っておきたい判断基準について整理してみたいと思います。
目次
- 1. SNSで見たアロマレシピ、そのまま真似しないほうがいいのはなぜ?
- 2. 注意したいのは、“アロマで何とかしよう”とさせるレシピ
- 3. レシピを公開している人が、正しいアロマの知識を持っているとは限らない
- 4. SNSのアロマレシピを見るときに持ちたい判断基準
- 5. レシピを楽しむ前に、土台になる知識を持っておきたい
1. SNSで見たアロマレシピ、そのまま真似しないほうがいいのはなぜ?
SNSのレシピは、伽tt-な言葉で魅力が伝わるように作られているものが多いです。写真がきれいで、完成形もイメージしやすく、工程もシンプル。だからこそ私たちは、内容を吟味するより先に、「作ってみたい」という気持ちが動きやすくなります。
もちろん、それ自体は悪いことではありません。アロマは、まず香りに惹かれるところから始まることも多いものです。
けれど、アロマクラフトのレシピは、料理レシピのように「同じ材料をそろえれば同じように楽しめる」ものと、薬膳のように「体質をしっかり理解して適切にとらなければ毒になる」ものがあります。それは、“精油”が良くも悪くもただの良い香りのする液体ではなく、様々な作用を持ったものだからです。
精油は、香りを気軽に楽しめる素材である一方で、選び方や使い方に注意点必要です。どの精油を使うのか、どんな状況で使うのか、今の体調の判断は本当に正しいのか…。そうした土台がないままレシピだけを追いかけるのはよくありません。
、公開レシピを見るときには「これ、作れそう」だけで終わらせず、「これは本当に安心して使えるレシピかな」と一歩引いて見る視点が大切になります。
2. 注意したいのは、“アロマで何とかしよう”とさせるレシピ
ここで特に気をつけたいのは、アロマセラピーの範囲を超えて、治療や改善を思わせる使い方が、気軽なレシピのように広がっていることです。
たとえばSNSでは、ときどき「いぼに」「アトピーに」「子どもの不調に」といった、薬のような使い方を連想させる投稿を見かけます。そうした言葉は、不安や困りごとがあるときほど強く心に入ってきますし、「アロマで対策できるなら試したい」と感じるのも自然なことです。けれど、そうした投稿を誰にでも使えるもののように受け取ってしまうと、アロマを楽しむ範囲から、少しずつ自己流の“間違った使い方”へシフトしてしまいます。
わかるですよ。
もっと精油の量増やしたら良いんじゃない?子供にも良いんじゃない?この傷治るんじゃない?
そう思ってしまう気持ち。
でも、やめてください。
過剰に精油を使ったレシピで、肌トラブルを起こすケース(最悪は内臓疾患も)って割遠いんです。
日本でも、消費者安全調査委員会は、精油を皮膚に塗布したあと皮膚障害などを発症した事故が散見されるとして注意喚起を行っており、肌に使うときは表示や説明を確認すること、原液は必ず薄めること、異常があれば受診することを勧めています。公益社団法人日本アロマ環境協会(AEAJ)も、精油の原液塗布や飲用を避けること、皮膚に使う場合は低い濃度から試すこと、3歳未満の乳児・幼児には芳香浴以外を行わないこと、3歳以上の子どもでも使用量は大人よりかなり少なく考えることを案内しています。
また、日本小児科学会の傷害速報や国民生活センターでも、アロマディフューザーや液体芳香剤の誤飲による事故が取り上げられ、乳幼児の手の届かない場所での使用・保管や、誤飲時は吐かせず相談することが呼びかけられています。
だからと言って、怖がらせたいわけではありません。
アロマを暮らしに取り入れることと、医療的な期待を込めて使うこと別次元。必要な知識も経験も全然違います。
3. レシピを公開している人が、正しいアロマの知識を持っているとは限らない
もうひとつ、意識してほしいことがあります。
それは、そのレシピを発信している人自身が、精油や医学について十分な基礎知識を持っているとは限らないということです。
SNSでは、写真の世界観や発信頻度、フォロワー数から、「この人は詳しそう」と感じることがあります。ですが、発信が魅力的であることと、内容が正しいことは、必ずしも同じではありません。
恐ろしいのは、発信する側も、よかれと思って紹介していること。だから、受け取る側が「発信者が言っているから大丈夫」とうのみにせず、自分で判断する力を持ってほしいと思っています。これは、AIが言うことも同様だと思います。
自分でも判断できる基準を持っておく。
それだけで、SNSの情報に振り回されにくくなりますし、公開レシピを見極めることもできるようになります。
4. SNSのアロマレシピを見るときに持ちたい判断基準
では、公開されているレシピを前にしたとき、何を基準に考えればよいのでしょうか。
まず持っておきたいのは、「作れそう」より先に「自分に合うだろうか」を考える視点です。
香りの好みはもちろん、今の自分の生活に必要か、無理なく取り入れられるか、心地よく続けられるか。レシピは完成品の提案であって、自分に合わせた答えそのものではありません。
次に、「誰が言っているか」を見極めること。
発信者の雰囲気や人気ではなく、その人がどんな考え方で精油を扱っているのか、説明に偏りがないかを見てみる。印象の強い言葉ばかりが並んでいないか、注意点や前提もきちんと触れられているか。そこを見るだけでも、受け取り方はかなり変わります。
そして最後に、「知らないまま試す」より「少し理解してから取り入れる」こと。
これは遠回りに見えて、実はいちばん暮らしになじみやすい方法です。レシピを片端から集めるより、自分で判断できるものをひとつずつ増やしていくほうが、結果として迷いにくくなります。
5. レシピを楽しむ前に、土台になる知識を持っておきたい
公開レシピは、アロマの楽しみ方を広げてくれるものです。
だから、そのレシピをヒントにしてアロマを生活の中で心地よく活かすために、読む側にも少しだけ基礎知識が必要なのだと思います。
ひのもとアロマでは、和精油やその背景を伝える活動とあわせて、初心者向けに「情報に振り回されず、安全に使うためのアロマ基礎講座」を新しくリリースします。
情報を鵜呑みにせず自分で考えること、精油を怖がりすぎず過信もしない視点を身につけることを大切にしています。公開レシピを上手に取り入れるためにも、まずはこうした土台を持っておくことが、いちばんやさしい近道なのかもしれません。
レシピを増やすことより、読み解けること。
真似できることより、自分に合わせて選べること。
その積み重ねが、アロマを長く、心地よく暮らしに取り入れていく力になっていくはずです。
>新登場!【初心者向け】情報に振り回されず、安全に使うためのアロマ基礎講座